Q & Aコーナー

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RV FAC(右室面積縮小率)の計測と考え回答します。計測時のポイントは2つあります。
1)計測断面像の設定が重要です。必ず右室長軸長が最も大きく描出される右室フォーカス心尖四腔像で計測します(ASE/EAC guideline 2015 参照)。

右室中部短径(27mm±4mm:基準値)は計測していると思いますが、有意な右室拡大が無い場合には右室長径(71mm±6mm)は短軸長の2倍以上あります。計測時には必ず長軸長も計測し、短軸長の2倍以下であれば再度断面設定を行います。適切なRV FAC計測像が設定されれば、心筋内膜やや内側をトレースします。
2)トレースラインの決定にはコツがあります。右室自由壁の壁厚正常値は3~5mm程度です。よって拡張期末期像のトレースでは、臓側心膜から3mm程度離れた内膜側を三尖弁輪基部から右室心尖部まで、筋束・肉柱を無視して臓側心膜から一定距離を保ちながら均等にトレースします。次いで心室中隔側のトレースですが、基部側は比較的平滑ですのでトレースし易いと思います。右室内膜から1~2mm程度やや内側をトレースラインとして、そのまま右室心尖部から三尖弁輪基部まで、筋束・肉柱を無視して均等にトレースします(拡張末期面積の測定)。ちなみに心室中隔側のトレースでは、中隔中心部にエコー輝度が上昇した輪状筋が描出されていますので、その走行を参考にしてその辺縁から一定距離を保ちながら内膜側をトレースすることをお薦めします。
 一方、収縮末期面積測定でも同様に、右室自由壁側のトレースは臓側心膜から5mm程度離れた内膜側を、また心室中隔側でも拡張末期像と同様にトレースして測定します。
FACは右室収縮機能全体を表す指標として用いられ、

 {(拡張末期面積-収縮末期面積)/拡張末期面積}×100

で計測され、正常値は35%以上です。(FAC:fractional area change)

(ASEガイドライン2015より引用)

通常、局所壁運動異常(asynersy)の有無の判定は、少なくとも異なる2断面(例えば下壁の asynersy の場合:左室短軸像と心尖二腔像)で asynersy が認められるかどうかで評価します。描出困難の程度が判りませんが、例えば1断面でしか asynersy の存在が疑うことが出来なければ、正確な評価は困難です。心エコー検査最大の欠点でもありますが、被検者も、検者も当該部位を描出出来るかどうかにかかっており、もし描出困難な場合には無理な評価はしないで下さい。よって、 asynergy の疑いが濃い場合でもサマリには「asynergy 疑い」に留めておきましょう。

確かに到達距離による重症度評価は難しい場合が多いようです。通常、偏心性ではなく中心性の逆流では逆流到達度や到達距離での半定量評価は可能です。

中心性逆流の場合には、心尖部長軸像で逆流血が瞬時に心尖部まで到達していると重症と判定します。

一方、僧帽弁や心室中隔に直撃するような逆流や心室内を斜めに横切るような偏位した偏心性逆流の場合には、到達度や到達距離だけで判定するのは困難ですので、大動脈逆流弁口部に明らかなPISAが描出されているかどうかが重要になってきます。PISAがあれば重症の場合が多いので、有意のMRが無ければ中心性逆流や偏心性逆流に関わらずVolmetric法で定量評価を実施して重症度を評価します。

その他、Vena contracta や逆流幅でも重症度評価は可能ですが実際的には綺麗に描出するのは困難な場合が多いようです。

プレミアム会員になれば大動脈弁逆流の撮り方を記載した小冊子テキストが無料でダウンロード可能ですのでぜひご参照下さい。

質問の文面から見て、初診の心エコ-図検査と考え回答します。左室駆出率が50~55%程度でDCM様の心エコー所見が得られたと思います。全体的な壁運動低下が見られる代表的な疾患として、拡張型心筋症、虚血性心筋症、高血圧性心筋障害、心筋炎などが挙げられます。その他、薬剤性、アルコール性などが原因の心筋障害や何らかの原因による一時的な心筋予備能の低下による場合などがあります。いずれにせよ心機能低下の原因を検索する必要がありますので心エコー検査の follow up 要請はすべきです。出来れば心エコー検査前にラボデータの結果を見ておくことをお薦めします。特にBNPは必須項目です。


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